不登校やひきこもりを経験した人たちが集まる居場所って、どんなところだと思いますか?
悩みを相談するところ?
学校に戻るための準備をするところ?
仕事を探したり、人と話す練習をしたりするところ?
もちろん、そうした相談をすることもあります。
でも、「ふらっと」は、必ずしも何かの目標を達成するためだけの場所ではありません。
大仙市子ども・若者総合相談センター「ふらっと」には、不登校やひきこもりを経験したピアスタッフがいます。利用する人も、それぞれ異なる経験や思いを持っています。
一人で静かに過ごしたい人もいれば、誰かと話したい人もいます。学校のことを考えている人もいれば、今は学校や仕事の話をしたくない人もいます。
そんな人たちが、同じ空間で過ごしています。
同じ居場所にいても、気持ちはそれぞれ
例えば、こんな3人が「ふらっと」に来たとします。
Aさんは、学校に行くことがつらくなり、家で過ごす時間が増えた人。
人と話すことには少し不安があります。でも、本当は外に出てみたい気持ちもあります。
居場所に来てみたものの、周りの人が楽しそうに話しているのを見ると、少し気になります。
「みんなは普通に話せているのに、自分だけうまく話せないな……」
Bさんは、中学校の頃から不登校が続いている人。
家で過ごす時間が長く、同じような経験をした人と話してみたいと思っています。
ところが、居場所でアルバイトの話をしている人に出会うと、複雑な気持ちになります。
「自分はまだ何も決められないのに、あの人はもう働いているんだ……」
話を聞いてみたい気持ちもあれば、少し焦る気持ちもあります。
Cさんは、以前ひきこもりの時期があり、今は週に数回アルバイトをしている人。
人と話すことには少し慣れてきました。
でも、周りの人がまだ学校や仕事の話をすることに難しさを感じている様子を見ると、今度は自分が気になります。
「自分ばかり話してしまっていないかな……」
3人とも、同じ居場所にいるのに、考えていることは違います。
人と出会うことは、楽しいことばかりではありません。
相手を羨ましく思ったり、自分と比べて落ち込んだり、時には相手の何気ない言葉に傷ついたりすることもあるでしょう。
居場所だからといって、いつも安心できるわけでも、みんなが仲良く過ごせるわけでもないのです。
ピアスタッフも、一緒に考えます。
「ふらっと」には、不登校やひきこもりを経験したピアスタッフがいます。
ただし、同じような経験をしたからといって、相手の気持ちがすべてわかるわけではありません。
経験が似ていても、そのときに感じたことや、その後の歩み方は一人ひとり違います。
だからこそ、私たちはそれぞれの違いを大切にしたいと考えています。
例えば、Aさんには、無理に会話を勧めず、本人が心地よいと感じる距離を一緒に探します。
Bさんには、他の人と比べて焦っている気持ちについて話を聞いたり、ほかの人がどのような経験をしてきたのかを知る機会をつくったりします。
Cさんには、ほかの利用者との関わり方を一緒に考えながら、それぞれのペースや距離感を尊重できるようにします。
もちろん、いつもこのようにうまくいくとは限りません。
ピアスタッフ自身も、どのように関わればよいのか迷うことがあります。
話したくない日もあれば、誰かと一緒に何かをしてみたい日もあるでしょう。
人と関わることで新しい気づきが生まれることもあれば、少し距離を置きたくなることもあると思います。
「ふらっと」は、そうした気持ちや人間関係の変化も含めて、一緒に考えていく場所でありたいと思っています。


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