久しぶりに、最近感じたことを・研究や現場で考えていることを皆に共有したいと思います。シリーズになると思いますが、投稿が不定期になることをご了承ください。よかったら、本文を読んでいただいたあなたに、お願いしたいことがあります。本文に書いていたことに共感しても・共感しなくても、「私はそう思う......」とのコメントをくださいね。
今日は、居場所に見えたひきこもりの様々な像をお話したいと思います。
人はそれぞれですねよね。
ひきこもり・不登校を経験している人も同じいろいろ・それぞれのことは当然だと思いますね。いつも考えていることですが、いいえ、もしくは、最近より頻繁に自分に問いかけるのは、
ひきこもりとレールの関係ですね。
ひきこもりはレールに乗っていない状態、それは間違いない。
なお、それはレールから外れて再び乗れなくなって、ひきこもりの状態になってしまうのか。
または、レールに載せられなかったから、レールの外にいるままひきこもりの状態になってしまうのか。
もしくは、レールに乗りたくない、自由に生きたいから「ひきこもり」に名乗っているのか。あるいは、自由に生きていけるではない結果ひきこもりの状態になってしまうのか。
ひきこもりの状態は、どのような状態に指しているのか?
学校に行ってない、外にも行ってない子ども?
仕事に行ってない、外にも行ってない大人?
退学して仕事をしていない人?
休学・休職している人は、病院や求職活動はしていますが、その他の社会参加はない人はひきこもりに該当しますか?
外に行ってないけれども、ゲームをやっている、チャットルームに入っている、新聞を読んでいる、YouTubeを見ている、その中に仲間もいる、それもひきこもりですか?
学校に行きたかったけど、病気で学校に行けていない、それは不登校・ひきこもりですか?
病気を治ったけど、学校に行って雰囲気が変わって居づらく、結果的にだんだん学校に行けなくなった、それはひきこもりですか?
(笑)これらの質問は、2006年に研究を始まったころからずっと変わっていませんね。ここから研究の話を少しさせますね~
ひきこもりとの言葉は、日本の精神科医齋藤環先生が「日本のuniqueな長男現象として」世界に広めたところ、私がこの言葉を知り、ひきこもりの研究をし始めたきっかけにも言えますね。
Oxford Reference (access 2026.10.28)
Hikikomori. A culture-bound syndrome found almost exclusively in Japan, most commonly among male teenagers and young adults, especially eldest sons, although about a quarter of cases are female. It is characterized by extreme social withdrawal and near-total severance of contact with the outside world, without any other evidence of psychiatric or neurological disorder, usually triggered by an upsetting experience, such as being bullied, failing an examination, or experiencing a broken love affair. People with the disorder usually lock themselves in their bedrooms and refuse to come out for weeks, months, or years. The disorder was first recognized in the 1970s, and the word hikikomori was first applied to it by the Japanese Health and Welfare Ministry in 1991. Compare agoraphobia, social phobia. [From Japanese hikikomori social withdrawal, from hikikomoru to stay indoors or shut oneself indoors]
related concepts
- The objective state of having little or no contact with other people.
- Sociological Distinction: Unlike loneliness (which is a subjective emotional feeling), Oxford reference materials measure social isolation using concrete, objective indicators like the frequency of face-to-face contact, network size, and lack of a discussion partner. Sociologists categorize it into individual isolation (lack of personal ties) and group isolation (exclusion from mainstream economic or social institutions).
- The estrangement of individuals from themselves, others, and their work.
- Sociological Distinction: Rooted heavily in Marxist theory, Oxford traces alienation to structural environments (like modern capitalism or hyper-bureaucracy) where people feel like a small cog in a machine. This structural disconnect leads to a profound sense of powerlessness and detachment from the surrounding social world.
- A state of normlessness or social instability resulting from a breakdown of societal standards and values.
- Sociological Distinction: Popularized by Émile Durkheim, Oxford defines anomie as a social condition where the moral guidance or rules that individuals usually follow are uprooted. When society's rules no longer seem clear or fair, individuals often experience deep personal unrest, a lack of purpose, and an urge to withdraw entirely.
- The systematic process by which individuals or groups are blocked from resources, opportunities, and rights that are normally available to members of a society.
- Sociological Distinction: While "isolation" can sometimes be voluntary, Oxford definitions point out that social exclusion implies an external structural barrier. Society actively or passively shuts the individual out (due to unemployment, poverty, or stigma), making reintegration incredibly difficult.
精神科学や社会学の中には
Hikikomori(ひきこもり)というのは、social isolation, alienation, anomie, social exclusionと切り離れてみることが本来だと思いますが、なぜかひきこもりの研究を進んでいくこの30年間には、ひきこもりの定義がどんどん広がっていますね。
令和7年1月、厚労省は以下の支援ハンドブックを発表されました。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/hikikomori/index.html
- 本来の区別:
- 孤立(Social Isolation): 他者との接触が物理的・客観的に「ない」状態。
- 孤独(Loneliness): 本人が寂しさや疎外感を覚えている「主観的・感情的」な状態。
- 定義文の混乱: 「孤立し、孤独を感じている」と「and(かつ)」で繋ぐことで、「客観的に孤立していても、本人が孤独を感じていなければ支援対象にならないのか?」、あるいは逆に「友人はいる(孤立していない)が、深い精神的孤独を感じている人は対象外なのか?」という線引きの曖昧さを生んでいます。
- 本来の区別:
- 重度のひきこもりや社会的引きこもりの背景には、前述の「アパシー(無関心・無気力)」が存在することが多々あります。
- 定義文の混乱: 本人が深いアパシー(感情の平坦化・諦め)の状態にある場合、「孤独すら感じていない(感情が麻痺している・現状に慣れきっている)」ケースがあります。この定義を厳密に適用すると、「孤独を感じている」という要件を満たさないため、最も重度でアパシーが進行したひきこもり当事者が支援からこぼれ落ちるリスクが生じます。
- 定義文の混乱: 「〜な状態であり、かつ、支援を必要とする本人」という一文は、論理的な同義反復(トートロジー)に陥っています。
- 「困難を抱えて交流が限定的な状態」そのものが支援の必要性を計る指標(ニーズ)であるべきなのに、「その状態にあり、さらに支援を必要とする」と重ねることで、「誰がその必要性を判断するのか(本人か、家族か、行政か)」という基準が不透明になっています。
- 本来の区別: Oxford等の定義や従来の「ひきこもり」の基準では、「6ヶ月以上」といった期間の持続性が重視されます。これは、一時的な休養や過渡期の状態(失業直後など)と、構造的な社会的撤退(ひきこもり)を区別するためです。
- 定義文の混乱: 「期間は問わない」とした瞬間、概念としての「ひきこもり(社会的撤退)」の輪郭が完全に消滅します。結果として、「社会的孤立全般」「生活困窮者全般」の概念と100%重複することになり、なぜこれをわざわざ「ひきこもり支援」の枠組みで呼ぶのかという、施策のアイデンティティの混乱を招きます。
- 客観的環境: 「社会的孤立」「交流が限定的」→ 福祉・環境の課題
- 主観的心理: 「孤独を感じている」→ 心理・精神医学の課題
- 生活実態: 「様々な生活上の困難(困窮、病気など)」 → 経済・労働・ケアの課題
- 「ひきこもり」という言葉の利便性と呪縛: 世間の認知度や予算がつきやすい「ひきこもり」というラベルの下に、実際には「8050問題」「ヤングケアラー」「社会的孤立」など、別の社会学概念で語るべき課題をすべて統合しようとしている。
- 実践のリアリティそのもの:支援者は目の前にいる一人の生身の人間(そして家族)に向き合う以上、医学、福祉、経済などの枠組みを現場でバラバラに適用することはできません。すべてが一体となった「生活の困難」として立ち現れるからです。
【改定案のイメージ】
「ひきこもり支援の対象は、以下の3つの側面(客観・主観・実態)のいずれか、あるいは複数が複合的に絡み合うことで、社会的参加を回避し、概ね家庭にとどまり続けている状態にある本人および家族とする」
- 客観的孤立が強い → コミュニティや居場所づくり(福祉的アプローチ)
- 主観的絶望・自己否定が強い → 無理に外に出さず、徹底的な受容や精神医療の連携(心理・医療)
- 生活困窮が強い → まずは生活保護や経済的基盤の確保(労働・経済)


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