ポエム
ともだちに
あなたの髪の毛をきゅっと掴む癖や
所在なさげな瞬きの仕方を
私はずっと忘れずにいた
今も玄関でスニーカーを脱ぎ捨てているだろうか
今でも1人を独りと思い込んではないだろうか
私たちまるで混ざらない
グラスの中
マドラーでぐるぐる掻き回されて
なのにちっともわからなかったな
あんなに時間を一緒に過ごしてきたのに
あなたは淋しいときに限って笑ってたってこと
階段の踊り場にわたしたちはもういない
図書館で昼寝もしない
制服の擦れる音もしない
はじまりのチャイムも
一緒に聞こえない 聞こえてこない
朝露のついた葉っぱ
砂利道の石をわざと蹴とばす靴先
日当たりの良すぎる教室
次会った時は仕方なくじゃなくて
悲しくてじゃなくて
楽しくて笑っててよ
笑っててよ
棚田あお
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