第1部:強迫観念・強迫行為の体験と理解
参加者から、手洗いや確認、文字の書き直し、対人不安など多様な体験が共有された。
共通して見られたのは「頭では不要とわかっていても不安でやめられない」状態であり、
行為そのものが不安を一時的に和らげる役割を持っていた。
- 洗浄・確認行為:天井の水滴やちょっとした違和感で洗い直すなど。
- 学習面:字の形や間違いにこだわり、時間が極端にかかる。
- 対人関係:他人を傷つけてしまう恐怖、発言や行動への過剰な不安。
- 日常のこだわり:食事制限や運動の義務化など、「やめられない完璧主義」。
議論では、
- 「観念(考え)」を変える方法と「行動」から変える方法があること、
- 行動を中断することで観念が軽くなる例(ランニングの事例)などが紹介された。
また、強迫と単なる性格的こだわりの違いは微妙で、
「不安を感じつつもやめられない」状態が重要な判断基準になると確認された。
第2部:「我慢」「耐える」と強迫行為
「我慢」と「耐える」は似て非なる感覚として語られた。
- 洗浄行為は「やめたいのに続ける」=“耐える時間”という感覚に近い。
- 家族関係などで感情を抑え込む“我慢”が限界に達すると、
手洗いや書き直しなどの強迫行動が強まるケースもあった。
ある事例は、
高校時代に強迫性障害を発症し、自己否定と後悔が背景にあったと語った。
人と関わること自体に「汚れ」の感覚が生まれたが、
後輩の面倒を見るようになり、「自分以外の誰かのために動く」中で自然と症状が軽くなった。
ここから、「自己に閉じこもるほど苦しみが深まる」「他者との関わりが回復を促す」
という共通理解が生まれた。
第3部:気づき・居場所の運営・まとめ
各参加者が強迫やこだわりとの向き合い方を再確認した。
- 自己客観視:他者の意見や記録(黒板)を通じて自分を冷静に見る。
- 完璧志向・100%安心思考:強迫的発想を悪化させる要因。曖昧さを受け入れることが重要。
- 義務感より楽しむ:他人と比べず、「場を楽しむ」姿勢が心を安定させる。
- 他者志向の回復:誰かのために動くことで、自己中心的な不安から抜け出しやすくなる。
- こだわりと強迫の境界:恐怖や断罪の意識が入り込むと強迫化するため、早期に気づくことが大切。
「駅前ふらっと(居場所)」は、
孤立から人とつながるリハビリの場として機能しており、
マニュアルよりも現場での柔軟対応・チームワークの重要性が共有された。
冬季の寒さ対策や通行人対応など、現場課題も話し合われた。
🔑 全体の結論
- 強迫行為の根には不安・自己否定・「〜すべき」観念がある。
- 「我慢」よりも、「気づき」「他者との関わり」「行動の柔軟性」が回復の鍵。
- 完璧よりも「ほどほどでいい」「楽しみながら関わる」ことが、
心の安定と社会的回復につながる。







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