第9回「孤立・孤独を防ぎ社会的つながりを構築するには」研修会は、ひきこもり支援現場で、支援機関で一番難しく感じることや困ったことなど(制度や支援対象者など)について、一緒に考えてみました。
当日参加者は18人。
第9回オンデマンド参加する予定の方々は、
こちらから登録をお願いいたします。
https://forms.gle/6RbqmpoH2v82Fv6J7
※字幕あり。
受講後にアンケートを必ずお願いいたします!
https://forms.gle/m1ujPtkf7aZEhHgr8
メモ
予想した「支援者の悩み」は、結構ある程度カバーできた気がします。
ひきこもりが分からない、適切につながる制度がない、家庭訪問できない、話してくれない、けいぞくしえんができない…
参加者が触れたテーマ
不登校・支援のGOAL?
親は子供の支援が必要と判断する。
子供は「わたしは大丈夫」と支援を拒否する。
本人が求めていない限りには、どのように支援すればいいのか?
訪問に本人と会えない悩み
アウトリーチの壁を乗り越えるために何を話せばよいのか?
支援者の役割、クッション。
ピアスタッフになるきっかけ。
当事者の不変の中の変化。
アコの悩み ー これから何を求めればいいのか?
Q&A:「ふらっと」の支援の実際と悩んでいること。
店長Rの振り返り
① 悩みの共有が本当にできたか?その不安
ミカはとても楽しみにしていて、
「いままで、ずっと当事者たちの話だったので、実際支援者から見て、何かが困っているんだろう、ひきこもりのことをどう考えているんだろう、と知りたいなあ」と話しました。
いままでの会にも支援者の声を引き出したくて、いろいろ工夫しましたが、
当事者から聞くと(すくなくとも「ふらっと」の当事者)
あまり本当に困っていることを話してくれなかったんじゃないかと心配していました。
いつも思うですが、
わたしの場を持ち力が足りないのか、
話の持ち方や方向性が曖昧だったなのか、
あるいは、支援者が遠慮して(支援者の立場で当事者に対する困ることを言えない)いたのか、どっちの要素が一番大きなのか、わかりませんでした。
もしかして、参加者はこういう形式の研修会に慣れていない?とも考えていました。
どっちかというと、「孤立・孤独を防ぎ社会的つながりを構築するには」研修会シリーズは、大学院の「ぜみ」、学会の「カンファレンス」をイメージしているものかもしれませんですね。多分野の関係機関が集まり、課題に関して「問題共有」、客観的に自分の足りないところに「指摘」と「指摘される」、そして自分の現状やミスを見つめる、そこから成長する。実際、居場所内にも、このような感じでまじめの話し合いをすることが多いです。(このような形式になったのは、「ふらっと」は研究から発展した居場所が大きいだと思いますね。)
本音でぶつけ合い話し合いが大事ですが、実践は難しいですね。
会の回数を重ねて、1時間を経って、少しずつ、少しずつ皆がもっともっと話してくれるかなあ、と願っています。
② 「満足」と「不満足」
11回シリーズの研修会は、当事者のアコとミカが主催側に立って、自分の思いや過去を正直に話す。毎回、終わって、振り返るときに、ここをうまく伝えたかなあ、ここはもうちょっと話せたら良かったかなあ、と笑い泣きの場面が多かったですね。
アンケートを実施して、参加者はほとんど「大満足」「満足」と書いてくれましたが、毎回事例発表するアコとミカは、「わからない」「不満足」と書いてました。何がわからないの?何について不満足なの?と聞いたら、自分の話は本当に役に立っているのかわからない。自分はよく役を果たしたか、わからなかったそうです。つまり、研修会に満足しましたか?との質問に、研修会の質に対する答えではなく、進行役を務めた自分に対する評価でした。このような思いの行き違いは、学校の教室や、診察室の臨床現場も、支援窓口の相談も、カウンセリングの場面によくありませんでしょうか?同じことを話していると思ったが、実は話を深堀したら、お互い考えていることや目指している方向性はずれている可能性もあるのをこころかけすることが必要かもしれません。
③ 期待
あとは、振り返ってみると
今回気づいたのは「変わりました」と「変わらなかった」という言葉です。
「変わらなかった」ことがよかったのか、
「変わった」ことがよかったのか、
捉え方も様々でしたね。
アコは、今の「ふらっと」は10年前と違う。
10年前には、「ふらっと」はひきこもった自分にとっては居場所、
安定して、前に進む!と自分はいろいろ試したい気持ちがあった。
今の「ふらっと」の現状は厳しく感じる。
ここで、
アコは大丈夫だよ、全然変わっていないよ!
前より明るくなったかなあ?大切な存在と励ました人たちが多かった。
実は、アコがいいたかったことは(本質に悩んでいること)
今の現状では、自分はこれ以上進展できないことについて、その現状を厳しく感じる。
なぜなら、
①アコの立場が変わった。(居場所の利用者から利用者に対する責任感を持たさるピアスタッフになりました)
②アコはいまの心境は、10年前の「不安」から「安定」に変化した。
③なお、今の気持ちのその「安定」の中に、まだ世間一般認められる「身分の安定(正社員)」から距離がある、年齢や体調に世間に届かない悩みをまだ解消できていない。
一般世間には、大したの変化ではないと思うかもしれませんですが、わたしはアコがこの10年間、こころの持ち方や仕事の能力にも「大きな進展(変化)」があったとみています。(笑)自分のことや気持ちを表現する力、自分を守る力、困難を単に諦めずのではなく、問題解決に結びつく力がついてきたなあと評価します。そのほかのおどおどは、性格と特徴だと思う。あとは、経験が足りないことをたくさん経験したら、いままだ苦手なこともうまく付き合えるではないかと思いました。だって、いままで、苦手なこと(自分を傷づけるような気持ちの表現、簡単にあきらめる、問題解決に結びつけない)はいくつも乗り越えてきたではないか。これからも変化し続けますが、実感が薄く感じたのは、一番大変な時期を過ぎたからだと思います。
アコの悩みは、他のひきこもり者の悩みとそんなに違いがないと思いますね。
いままでの生活パターンから変化を見られ、
周りの人からもっと変化するではないかと期待され、
自分はどこまで変化できるか不安を感じ、
期待される気持ちにつぶられそうになり、
より不安が強く、期待されたくないにつながり、
今度期待されないとまた自分がダメではないかと落ち込む。
これは、ひきこもり者の自信が乏しいときに陥りやすいループです。
そして、とてもうれしいのは、
ふかやくんが、その後、久しぶりにお母さんと一緒に「ふらっと」に来ました。
家族会に参加し、自分の変化や、年末年始のことや、新年度に関する希望と心に芽生えたチャレンジを教えてくれました。(^^)
次回、「これからこのような研修会があればいいなあ!」を令和5年度の研修会シリーズのテーマを一緒に考えましょう。
日時:2月15日(水) 14:00~16:00
会場:秋田大学地方創生センター2号館(旧VBL)