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Saturday, September 30, 2023

スプーン

あのね、本当は...

から続く言葉は
すぐ涙に変わって途切れた  溢れた   

こんな時は決まって
記憶の海へに溺れにいく
あまりにも深い
傷だらけの過去の海
流れに任せて身を委ねるわたしは
まるで深海魚にでもなったみたい

クーラーの効いた部屋は
水槽の中みたいだ
冷えた 身体が
泥のように重い
沈む、沈む

あの日図書館の
1冊から飛び出した
瞬く物語の数々や
きらきら輝く
恋や発見は歌は

音楽室のピアノの音に
かき消されて
雲かき分けて飛んでいった

だれかにそっと
見つけて欲しい。

今の情けないありさまの私を、
砂のように消えてしまいそうな私を、

すくって、拾い上げて欲しい。


棚田あお

(p/s: 気分は晴れたので、詩を書いてみました。)












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